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グリーンウォッシュ関連企業が1,594社に急増、脱炭素を支える側にも広がる監視の目

グリーンウォッシュ関連企業が1,594社に急増、脱炭素を支える側にも広がる監視の目のイメージ

本ページは環境表示に関する制度を公開情報から整理したものであり、個別の表示の適法性に関する助言ではありません。

ニュースの概要

RepRiskの調査によると、2025年7月から2026年6月までの1年間に、グリーンウォッシュ(=環境への配慮を実態以上に見せかけること)と結びつけられた企業は1,594社に達し、前年から28%増えた。これまで批判の的になりやすかったのは石油・ガスなど排出の多い業種だった。だが今回の報道は、金融機関や部品の供給業者、再生可能エネルギー、電気自動車、AI向けのインフラなど、脱炭素への移行を担うはずの企業にも問題が広がっていると伝えている。環境をうたう言葉が増えるほど、その裏付けを求める目も厳しくなっている。報道の見出しは、5年間で件数が2倍超になったとも示している。

引用元: グリーンウォッシュ関連企業が前年比28%増、エネルギー転換分野へ拡大(Fair Play Talks)

分析・見解

排出の多い業界だけでなく、移行を担う企業が標的になる理由

グリーンウォッシュと聞くと、石油会社が自然の写真を広告に使う場面を思い浮かべる人が多い。しかし今回の数字が示すのは、問題の中心が移りつつあることだ。脱炭素を支える側の企業は、環境への貢献を事業の看板にしている。看板が大きいほど、実際の数字との差も目立ちやすい。

排出量の多い企業は、そもそも期待値が低い。一方、再生可能エネルギーや電気自動車の企業は、高い期待を背負う。その分、少しの誇張でも批判を受けやすい。

「再エネだから安全」という看板が最も危うい

たとえば「再生可能エネルギー100%」という表示は、一見わかりやすい。だが、年間の購入量で帳尻を合わせているのか、時間帯ごとに実際の電気をまかなっているのかで、意味は大きく変わる。証書(=再エネで作られた電気だという証明書)を買うだけで、実際の電源は変わっていない例もある。電気自動車も同じだ。走行中の排出がゼロでも、電池の製造や原料の採掘、充電に使う電気まで含めれば、数字は変わる。

金融機関の場合はさらに難しい。「持続可能な投資」と名乗る商品に、化石燃料関連の企業が含まれていた例は、欧米で何度も問題になった。自社の排出よりも、お金の流し先が問われるからだ。

AI向けインフラで目立つ、電力量と脱炭素の食い違い

AI向けのデータセンターは、電力の使用量が急増している。事業者は再エネの調達を進めていると説明することが多い。ただ、調達した電気の総量が多くても、需要が高い時間帯に火力発電で補っていれば、環境負荷は残る。年間の合計で見るか、一時間ごとに見るかで、評価が変わる点が争点になりやすい。

新しい分野では、測り方の決まりがまだ固まっていない。決まりが曖昧なところに、強い言葉が先に出てしまう。ここが摩擦の入り口だ。

件数の増加は、不正の増加より監視の強まりを映している

最後に、1,594社という数字の読み方である。28%増は、不正をする企業が増えた証拠とは限らない。報道機関、市民団体、投資家、規制当局が、環境表示を調べる体制を整えたことも大きい。EUでは環境表示を規制する動きが進み、英国でも広告や消費者保護の当局が表示の根拠を確かめている。調べる人が増えれば、見つかる件数も増える。

つまり、これは環境表示の「当たり前の水準」が上がったという話でもある。昔は通った表現が、今は通らない。企業側が気づかないうちに、基準だけが動いている。

ビジネスへの影響

環境表示は、広告の前に証拠の棚卸しから始める

まず、自社が使っている環境関連の言葉を一覧にする。「カーボンニュートラル」「クリーン」「グリーン」など、定義があいまいな語は特に要注意だ。それぞれに、算定の範囲、対象期間、第三者の確認の有無を紐づける。根拠を一枚の資料で示せない表現は、いったん使用を止めるか、事実に絞った言い方に改める。

「2030年までに」といった将来の目標は、達成の道筋とセットで語る。目標だけを大きく掲げると、後から差を指摘されやすい。

取引先や投資家から問われる質問に先回りする

サプライヤーや金融機関の場合、顧客や出資者から、環境に関する回答を求められる場面が増える。調達担当者は、取引先の環境表示が誇張されていないかを確かめる必要がある。取引先の宣伝をそのまま自社の資料に転用すると、自社が批判を受けるおそれがある。契約書に、環境関連の主張の根拠を示す義務を入れておくと安心だ。

投資や融資の部門では、商品名と中身の一致を点検したい。名前に「サステナブル」とつけるなら、組み入れ基準を公開し、例外も説明する。

完璧さより、不確かな点を先に認める姿勢が信頼を守る

環境の数字には、必ず不確かさが残る。電池の製造や電力の調達などは、推定を含む。そこで、わからない部分を隠さず「現時点の推定で、範囲はここまで」と書いたほうが、後で信頼を失いにくい。

広報、法務、サステナビリティ担当が、公開前に同じ資料を見る流れも作っておきたい。訂正を早く出す手順も決めておくとよい。批判が来てから説明を作るのでは遅い。

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本サイトは環境表示・グリーンウォッシュ規制に関する制度と業界を公開情報から整理したものであり、個別の広告表示の適法性や法的判断に関する助言ではありません。表示の可否は最新の法令・ガイドライン原文と専門家(弁護士等)にご確認ください。