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GREEN CLAIMS COMPLIANCE

算定・開示・表示チェックのツールを、
主機能で見分ける

GHG算定、開示支援、サプライヤー管理、広告表現の審査という四つの機能に分けて、8者の公開情報を事実項目で並べます。

緑の棒グラフのダッシュボードを表示したノートパソコンと、ぼかしたオフィス
算定データの画面

ツールの機能は、四つの層に分けて考える

最終更新日:

本ページは各社公式サイト、プレスリリース、取引先の発表から確認できた事実項目を並べています。機能の優劣や導入の推奨は行いません。確認できない項目は「公式サイト参照」としています。

サステナビリティ関連のツールは、名前が似ていても、解決する課題がまったく異なります。環境表示の点検という観点から見ると、機能は大きく四つの層に整理できます。第一は、事業活動の排出量を算定する層です。電気やガスの請求書、購買データなどから、Scope 1、Scope 2、Scope 3の温室効果ガス排出量を計算します。第二は、算定した数値を開示の様式に整える層で、ISSBやSSBJ、EUのCSRDといった基準への対応を支援します。第三は、サプライヤーから排出量データを集めて管理する層です。第四は、広告やパンフレットの表現が法令に抵触しないかを確認する審査の層です。

環境表示の信頼性を高めるうえで、これらは役割が違います。算定ツールは、表示の根拠となる数値を作る道具であり、表示そのものの適法性を判断するものではありません。広告審査のAIは、表現を点検する道具であり、算定の正しさを担保するものではありません。ツールを導入すれば表示の問題が解決する、という考え方は成り立たない点に、まず注意が必要です。

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本ページでは、公式サイトやプレスリリースで機能が確認できた算定・開示支援クラウド6者と、広告表現の審査を行うAIサービス2者を並べています。広告審査の2サービスについては、確認できた範囲では、環境表示(グリーンクレーム)に特化した機能の記載は見つかっていません。

表に挙げた8者は、国内で事業内容を公式サイトや発表資料から確認できたか、国内の取引先や金融機関との提携が公表されているものから選んでいます。同じ領域のサービスは他にも多数あり、掲載の有無は優劣を意味しません。比較の軸は、提供元、主機能、AI機能の公表、対応フレーム、国内での提供形態、導入事例の公表という、外部から確認できる事実に絞りました。価格や契約条件は、案件ごとに異なるため扱っていません。

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ツールの選定では、機能の多さよりも、自社が必要とする基準と算定の範囲に対応しているかが重要になります。たとえば、国内の有価証券報告書でSSBJ基準に従った開示が求められる企業と、EU域内に子会社を持ち欧州の開示に対応する企業とでは、必要なフレームが異なります。まず自社に適用される制度を確認し、その制度の要求を満たせる構造かどうかを、各社の公式資料で確かめる順序が、無駄のない進め方です。

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【比較表】サステナビリティ広告審査・ESGデータ・AIツールと事実項目

サービス提供元・本拠主機能AI機能の公表対応フレームの公表国内提供公表導入事例の有無
booost SustainabilityBooost株式会社(東京都品川区)GHG算定(booost GX)、サプライヤー管理(booost Supplier)、ESG開示項目(booost ESG)、再エネ調達(booost Energy)公式サイト参照Scope 1〜3の算定。フレームの詳細は公式サイト参照あり(国内企業)あり(製品単位のカーボンフットプリント算定で導入した企業の事例を報道)
アスエネアスエネ株式会社(東京都港区)CO2排出量の見える化クラウド、ESG評価、コンサルティング「AI搭載」と紹介GHGプロトコルなどの国際基準に基づくScope 1〜3。コンサルティングでCDP、SBTi、TCFD、CSRD、TNFD対応を支援ありあり(累計導入社数を公表)
zeroboard(ゼロボード)株式会社ゼロボード(東京都港区。2021年8月設立)温室効果ガス排出量の算定・可視化、サプライチェーン排出量、カーボンフットプリント(CFP)算定公式サイト参照Scope 1〜3。導入企業がSSBJと海外の法定開示を見据えて導入した事例を掲載ありあり(導入企業の発表)
e-dashe-dash株式会社(三井物産発。2022年2月設立)請求書からのScope 1・2算定、Scope 3の算定、削減支援。2025年8月にCFP算定支援「e-dash CFP」へ展開公式サイト参照日本政府の算定ガイドラインに基づくと説明。大手監査法人による第三者検証を受けたと記載ありあり(複数の信用金庫が取引先支援で業務提携)
PersefoniPersefoni AI(米国アリゾナ州テンピ。2020年創業)GHGの測定・分析・計画・予測・報告あり(AIアシスタント「PersefoniGPT」を公表)CSRD、ISSB、CDP、米国カリフォルニア州SB 253に対応と記載パートナー経由(2022年に三井住友銀行・日本IBM、日立システムズとの提携を発表)あり(三井住友銀行が自社向けに複数年契約と発表)
SweepSweep(フランス・パリ)炭素・ESGの管理、CSRD対応(Sweep for Compliance)、サプライチェーン(Scope 3)、金融向け公式サイト参照CSRD、GHGプロトコルのカテゴリー15(金融の投融資排出量)を発表資料に記載公式サイト参照(日本拠点は確認できず)あり(顧客として欧州企業の名称を発表資料に記載)
DocumentOn株式会社LegalOn TechnologiesAI広告審査ツール。景品表示法をテーマにしたセミナーで実務フローを紹介あり(「AI広告審査ツール」と紹介)対応法令の詳細は公式サイト参照あり公式サイト参照
AI AD CHECK “SOLEIL VIEW”弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所(東京都千代田区)健康食品・化粧品の広告表現の審査。指摘箇所、リスク評価、修正案、判定根拠、違反法令を整理したレポートを出力あり(AIによる広告審査。OCRで文字情報を抽出)薬機法、景品表示法、化粧品等の適正広告ガイドラインなどあり(顧問契約スタンダードプラン以上の追加オプション)公式サイト参照

2026年10月時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。最新情報は各社サイトで確認してください。

比較表の読み方:確認できた範囲と、ツールで担保できない範囲

表の「AI機能の公表」は、公式サイトや発表資料にAIに関する機能の記載があるかどうかを示したもので、精度や有効性を評価するものではありません。同じように「導入事例の有無」も、公開された事例があるかどうかだけを示しています。

算定ツールが担保できること、できないこと

算定ツールは、請求書や購買データから排出量を計算する作業を効率化し、算定の前提や排出係数を記録します。この記録は、第三者の検証や保証を受ける際の土台になります。ただし、算定の結果が「正しい」と認められるかどうかは、第三者検証・保証機関が判断する領域です。ツールの出力をそのまま「環境にやさしい」の根拠として表示に使うと、算定の範囲や前提と、表示の範囲がずれる危険があります。検証・保証機関の整理は第三者検証・保証機関の比較をご覧ください。

広告審査AIが担保できること、できないこと

広告審査のAIは、表現のリスクを指摘し、修正案を示すことで、人による確認の負担を減らします。SOLEIL VIEWの発表資料は、広告のデザインや構図は解析の対象外であること、顧問契約の追加オプションとして提供されることを明記しています。AIの指摘は最終的な法的判断ではなく、人が確認する前段階のものと位置づけられています。環境表示については、確認できた範囲で特化した機能の記載はなく、環境省のガイドラインが求める説明文や根拠資料との対応は、社内の審査フローで人が確認する必要があります。

導入を検討するときの順序

最初に、解決したい課題を四つの層のどれかに特定します。次に、準拠させたい基準(SSBJ、ISSB、CSRD、CDPなど)と、算定の範囲(自社のみか、サプライチェーンを含むか)を決めます。そのうえで、各社の公式資料で、対応フレームと提供形態を確認し、不明な点は問い合わせで確かめるのが、手戻りの少ない進め方です。基準の最新状況はESG情報開示と保証で整理しています。

各サービスのプロフィール:公式情報から確認できる事実

booost Sustainability:四つのアプリケーションで構成するクラウド

booost Sustainabilityは、Booost株式会社が提供するサステナビリティ経営のためのクラウドです。CO2の可視化、カーボンオフセット、レポートを扱うbooost GX、サプライチェーンのCO2を扱うbooost Supplier、ESG開示項目を扱うbooost ESG、CO2フリー電力の調達を扱うbooost Energyの四つで構成されています。2023年2月27日に提供が始まり、製造、物流、自動車といった業種別の版もあります。2025年9月時点で約2,000社、19万2千拠点以上、92か国以上で採用されたと、プレスリリースに記載されています。

アスエネ:算定、ESG評価、コンサルティングを一体で提供

アスエネ株式会社は、AI搭載のCO2排出量見える化クラウド「アスエネ」、ESG評価サービス「アスエネESG」、転職サービス「アスエネキャリア」などを提供する会社です。見える化の機能は、GHGプロトコルなどの国際基準に基づき、Scope 1〜3のCO2排出量や、水、廃棄物などの環境データを測定・管理します。コンサルティングでは、CDP、SBTi、TCFD、CSRD、TNFDへの対応支援や削減戦略の策定を提供しています。創業は2019年10月、所在地は東京都港区です。

zeroboard:サプライチェーン排出量とCFPの算定

株式会社ゼロボードは、2021年8月に設立され、温室効果ガス排出量の算定・可視化クラウド「zeroboard」を開発・提供しています。同社は2021年7月に、クラウドでサプライチェーン全体(Scope 1〜3)の算定ができる機能の提供を始めたと説明しています。製品単位のカーボンフットプリント(CFP)の算定機能も備えています。豊田通商が2023年2月に第三者割当増資の引き受けを発表しました。2025年以降には、導入企業がSSBJと海外の法定開示を見据えて、算定・管理体制を高度化する目的で導入した事例が公表されています。

e-dash:三井物産発の算定クラウド

e-dash株式会社は、三井物産の発表によれば、2022年2月に設立され、CO2排出量の可視化・削減クラウド「e-dash」を2022年4月に正式提供しました。電気やガスの請求書をアップロードすると、Scope 1・2の排出量を自動で算出する仕組みがあり、Scope 3も算出・可視化できると説明されています。日本政府の算定ガイドラインに基づき、大手監査法人による第三者検証を受けたとも記載されています。2025年8月には、三井物産のLCA Plusとの事業統合と、カーボンフットプリント算定支援「e-dash CFP」の展開が報じられました。

Persefoni:米国発の気候マネジメント・会計プラットフォーム

Persefoni AIは、米国アリゾナ州テンピに本社を置き、2020年に創業した企業です。温室効果ガスの測定、分析、計画、予測、報告を行うプラットフォームを提供し、CSRD、ISSB、CDP、カリフォルニア州のSB 253といった開示基準への対応を掲げています。AIアシスタント「PersefoniGPT」で、データの照会や計算方法の選択、利用方法の学習などを支援します。日本では、2022年に三井住友銀行、日本IBMとの提携、日立システムズとの再販契約が発表されました。現在の販売経路は公式サイトで確認してください。

Sweep:パリに本拠を置く炭素・ESG管理プラットフォーム

Sweepはパリを拠点とする炭素・ESGの管理プラットフォームで、2021年の発表資料では認定B Corporationとされ、フランスと英国に拠点があると説明されています。2023年5月にCSRDに対応した監査可能な報告のための「Sweep for Compliance」を発表し、サプライチェーンのScope 3を扱う「Sweep for Supply Chain」、金融向けの「Sweep for Finance」も提供しています。日本での拠点や日本語での提供については、確認できる情報が見つかっていないため、公式サイトの確認が必要です。

DocumentOn:契約書だけでなく広告表現も扱う法務AI

DocumentOnは、株式会社LegalOn Technologiesの製品として、AI広告審査ツールの名称で紹介されています。同社は景品表示法をテーマにしたセミナーを開き、後半でDocumentOnを使った広告チェックの実務フローを、実画面のデモで紹介するとしています。対応する法令の範囲や、環境表示への対応の有無は、確認したページに記載がありませんでした。実際の機能は公式サイトでご確認ください。

AI AD CHECK “SOLEIL VIEW”:法律事務所が提供する広告審査

弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所は、2026年9月2日付のプレスリリースで「AI AD CHECK “SOLEIL VIEW”」の提供開始を発表しました。薬機法、景品表示法、化粧品等の適正広告ガイドラインなどを対象に、健康食品と化粧品の広告表現を審査します。入力は広告のテキスト、PDF、画像で、OCRで文字情報を抽出します。出力は、指摘箇所、リスク評価、修正案、判定根拠、違反法令を整理したレポートです。顧問契約スタンダードプラン以上の契約企業向けの追加オプションとされています。

一次情報の確認先

本サイトは環境表示・グリーンウォッシュ規制に関する制度と業界を公開情報から整理したものであり、個別の広告表示の適法性や法的判断に関する助言ではありません。表示の可否は最新の法令・ガイドライン原文と専門家(弁護士等)にご確認ください。